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INTERVIEW
大谷悠妃×中野愛理×
西満里奈×平田詩奈
「ここにいられる喜びと、隣り合わせの涙と。」
野村実代
「君が消えてしまう前に、忘れられない今を。」
野村実代
「君が消えてしまう前に、忘れられない今を。」
永遠にできるわけじゃないから
ーー初単独ライブ、おつかれさまでした。
野村
フフ……おつかれさまです。
ーー昨日は朝何時に起きました?
野村
7時です。それで、近所の神社にお父さんに連れて行ってもらって。
ーーMCで話していましたよね。どんなことをお祈りしたのですか?
野村
まずは、カミングフレーバーのライブがうまくいきますように。あとは、お父さんとお母さんが健康でいられますようにって(笑)。この際だから2つお願いしちゃおうと。それで、家に帰って少しゆっくりしてから会場に向かって。あ、会場で普段と違うことがありました。
ーーなんでしょう?
野村
いつもは差し入れって関係者の方からいただくことが多いんですけど、昨日はえなちゃん(鈴木愛菜)がチーズケーキを持ってきてくれたり、ゆうゆ(大谷悠妃)がモナカをくれたりしました。で、その後はリハーサルを最初から最後までみっちりやってたらもう5時すぎぐらいになってて……気づいたら本番って感じでした。……すごく、楽しかったなぁ。さっきアーカイブ観たんですけど、歌とダンスに集中してたから顔のことはあまり意識してなかったんですけど、すごく楽しそうで、あぁこんな顔してたんだって。
ーーみんな良い顔してましたよ。
野村
一番衝撃だったのが、(平田)詩奈ちゃんがセンターの『長い夢のラビリンス』。最初にソロパートがあるんですけど、めっちゃきれい。すごく引き込まれました。こういう顔もできるんだと思って。レッスンの時の詩奈ちゃんは結構苦戦していたんですよ、歌がうまくいかないって。でも、本番では輝いていたなぁ。 全体的にも、みんなの気持ちが合わさってるのを感じてすごく嬉しかったです。
ーーさっきまで野村さん以外のみなさんの話を聞いてたんですけど、とにかく楽しかったと。あと、エンドロールで泣いたって。
野村
泣きました(笑)。流れてくるファンの人たち、知ってる名前がたくさんあったんですよ。それでみんな、この人もこの人も観てくれてたんだとか、その嬉しさで泣きました。やっぱり、目の前にお客さんがいないと観てもらえてる実感が得られないじゃないですか。だから、それが目に見えたのが嬉しくて。カミフレって、どのぐらいの人が観てくれていたとか応募があったとか、結構ズバズバ聞かされるんですよ。SKE48では秘密の場合も多いんですけど、カミフレの場合は意識を高めるためという理由で、数字を伝えられる。だから、数字が伸びてなかったらみんな落ち込むけど、逆に数字を知ることで観てくれている人がいるのもわかるし。まずはその人たちに楽しんでいただくことを考えて、満足してもらえるようにがんばろうってみんなで話しました。
ーーそのあたりも、かなり実験的ですよね。カミフレ結成当初は今の状況なんて誰も想像してなかったからこそ、みんな試行錯誤しているんだろうなと。
野村
実際、こんなに続くと思ってなかったんですよ。でも、『FRUSTRATION』で選抜に入れなかった時にカミングフレーバーというグループで曲が収録されますってなったのは、私的には結構心の救いだったんです。だから、カミフレで結果を残せば選抜につながるかなって、まずはその気持ちから始まったし、もちろんそこに入りたい気持ちはみんなにもあると思うんです。今は……もう、今はこの9人で何かをすることがとにかく楽しいので、やめたくない。もっと続いたらいいなって。
ーーこれまでのユニットって、大々的に結成されたけど、その後特に動きがなくフェードアウトみたいな感じが続いていたじゃないですか。
野村
活動せずに卒業するメンバーも出て、ユニットだけが残ってみたいな。
ーーカミフレもそうなる可能性は大きかったと思うんです。だからこそ、こういう状況になったことで、野村さんのカミフレに対する気持ちも大きく変わったんじゃないかと。
野村
そうですね……グループとして意識を持ち始めたのは、やっぱり『AYAKARNIVAL』の後かなって思ってて。最初はそこまで、後輩と仲良くなれないというか、あまり喋れなかったから。だけど、『AYAKARNIVAL』をきっかけにグループとして活動する場が増えて。これからも活動したいって気持ちが大きくなってきて。そこからは、私がリーダーなのかはわからないけど、一番先輩だし、どうやってみんなの気持ちをまとめればいいんだろう、導く人になれるのかなって。難しいなぁ……後輩だけど年上も多いしって思ってました。でも、最近は私からじゃなくて、みんなから意見が出たり。みんなで声をかけあって、レッスンでも私から歌い始めるんじゃなく、みんなから始めてくれたり。結構変わってきたかなと思います。
ーーそれぞれが積極的に、カミングフレーバーを大切なものとして捉えてる感じはします。
野村
本当にそういう気持ちは伝わってきます。ライブをやるってなった時にセットリストや今回だったら新衣装もできるってことで、スタッフもふくめてみんなで集まって話し合ったりもするんですけど、そういう時に結構泣くメンバーもいますもん。
ーー泣く?
野村
がんばりたいのにうまくいかないとか、気持ちが強すぎて。
ーーさっきまでドラフト3期生4人を取材していたんですけど、3人泣いてましたよ。
野村
え!
ーーまず平田さんが……。
野村
そう!詩奈ちゃんめっちゃ泣くんですよ、最近。ゆうゆも泣く。その二人カミフレのことになると、ね。泣かなかったのは誰ですか?
ーー中野(愛理)さん(笑)。
野村
あははは! らぶりんは感情が表に出にくいから。
ーー平田さんは本当にカミフレが好きみたいですよ。
野村
すごく伝わります(笑)。
ーー最後に『せ~ので言おうぜ!』を歌う直前に、これまでのことを思い出したり、これを歌うとライブが終わっちゃうんだと思うと、きちゃったみたいですね。
野村
かわいい(笑)。やっぱり、アイドルって永遠にできるわけではないじゃないですか。もちろん長くできる場合もあるけど、なかなか難しい。だから、カミフレの活動でチャンスをつかめればって気持ちはみんな強いと思います。
ーー昨日、野村さんが言ってましたけど、カミフレは崖っぷちだと。
野村
本当にそう思います! だっていつなくなっちゃうかわからないから。ここで失敗したりとか、あんまり楽しくなかったって言われるようなライブをしたら、もう止まりますよね。きっと、カミフレを続けてもいいことないって思われたら終わりだから。
ーーそもそも今回のライブは3月に予定されていたじゃないですか。中止になった時は終わったと思いました?
野村
あ、思いました! 「ヤバい、終わった……」って。こういう活動をしているとわかるのが、タイミングってすごく大事なんですよ。だから、ヤバいなと(笑)。でも、ライブは中止になっちゃったけど、Zoom劇場とかをやらせてもらって、なんとか繋がったかなって。だから、ここからだなっていう感じです。
ーー昨日は最後に「これからも自分たちの力で切り拓いていく」と、野村さんは宣言しました。
野村
言っちゃえば、始まるだろうと思ったんです。ライブの前日、最後に何を言うべきか全然思いつかなかったんですよ。お風呂に入ってる時も考えてたし、寝る前もずっと考えてたんですけど、何を伝えればいいのかわからなくなって。で、ライブ当日に神社に行って家に帰ってきて少しゆっくりしている時に……本当に自分がどうしていきたいのか、伝えたいことをメモしていったら、降りてきました(笑)。
ーーあの言葉って、本当にめちゃくちゃ練習して、やるしかないって状況まで追い込まれたからこそ出てきた言葉なのかなって思ったんですよ。それだけやってきたことが、自信になったんじゃないかと。
野村
みんな、結果を残さないとっていう気持ちがあったと思うんです。メンタルの面でも、肉体的にもすごい削られて。ライブの前日だったかな? ミーティングで集まった時に、本当にみんなクタクタで顔が死んでたんですよ。だけど本番を迎えたらもう、疲れなんて吹っ飛ぶんだなって思いました。カミフレにいると、普段はできない成長ができているというか。グループをまとめるってことにしても、こんな難しいことを先輩たちはやってるんだって。あとは、Zoom劇場で演技を初めてやってみて、それまでは勝手に演技は自分の苦手分野だと思っていたんですけど、やってみたら楽しかったです。歌とかダンスも伸びしろしかないんだなって思いました。
ーー長く続いているグループに入るって、色々なことを覚えながらこれまでの正解に照らし合わせて、自分をそこに適応させていくことが求められるというか。
野村
うんうん。だから、びっくりしてます(笑)。もっと前からこうして自分を追い込んで、必死に練習してたら変わってたのに、なんでやらなかったんだろうって。やってなかったわけではないけど。
ーー“しんどいレベル”ではやってなかった?
野村
そうそうそうそう! その時は自分がんばったなって思ってたけど、今考えると全然がんばってなかったなって。この期間、うまくできなくてこのまま本番いけるのかなって思ったこともあったけど、ここで練習したりするのが楽しくて。みんなに会うのも楽しかったし、みんなでレベルアップしていくのも楽しかったです。
ーーさっき、今野村さんが座ってるところに大谷さんがいて、「ワンチーム(笑)」って言いながらニヤニヤしてたんですよ。
野村
ヤバい(笑)。なんか独特な世界を持ってますよね(笑)。
ーーだけど、本当にチームになってきてるのは感じました。
野村
そういうのって、気づかないうちにできてるんです。たとえば、同期の子たちでも最初は赤の他人なんですよ。でも、一緒にレッスンしてその子のことをたくさん知って、自然に一緒に帰るようになってたりとか。最初はみんなの前で歌うのが恥ずかしかったけど、今ではみんなと歌いたいって思ったり。それって気づかないうちになる。自然になっていくんですよね。
振り向かせるのではなく先に行く
ーーそんなカミフレですけど、SKE48のファンの方からどう見られていると思いますか?
野村
観てみたいけど、入り込んでいいものなのかって人もいますよね(笑)。
ーーカミフレへの自分たちの感情をどうしていいのかわからない、みたいな。
野村
昨日、結構ハッシュタグで感想を見たんですけど、ちらほらそういう方も。今まではグループができたとしても、ここまでライブとかをしているグループはなかったじゃないですか。でも、観てほしいし、楽しんでもらいたいと思っています。
ーーそれこそカミフレって、野村さんが言ったように9人の「自分たちの力で」、認めてもらうしかないグループだから。
野村
なんか私自身もカミフレの活動をしていくうちに、結構意識っていうものが変わってきて。もちろん、雑誌のモデル投票企画とかあった時に、やりたいって思ったものに関してはファンの方に支えてもらって出たりもしてきたし、これからもするかもしれない。でも、それも一つのやり方だとは思うけど、自分の力でつかみとらないと……ずっと私のことを支えてくれるというか、私のためだけにお金や時間をたくさん使ってくれる、永遠にそうしてくれる人なんていないわけだから。
ーーなかなか難しいところだとは思います。
野村
「自分たちの力で」どうにかなるものもありますけど、ならないものもあるわけですよ。たとえばライブとか。だから、観てほしい。
ーーたしかにライブは観てもらわないと成立しませんね。前日にスタッフさんからは、「どういう意味を持って、どういう気持ちでここに立つか考えて欲しい」って言われたそうですが。
野村
まだ、カミフレのことを認めてない、認めたくないって方も大勢いると思うんです。そういう人たちをちょっと……置いていくぐらい。
ーー振り向かせるわけではなく?
野村
そう、置いていって。でも、気になっちゃうみたいな。だって、私たちがそこでもがいているぐらいだったら、先に行ったほうが早くないですか?
ーーあーなるほど。「振り向いて!」って、そこに合わせるとこれまでと同じやり方になっちゃいますよね。
野村
そうそう。もちろん、見てほしいですけどね(笑)。何ていうんだろう、カミフレがまだちょっと体当たりなところがあるグループだと思われているところを変えたいと思ってました。『AYAKARNIVAL』の時みたいに、まだ何もできないのに挑戦しちゃうって感じだったけど。
ーー行き当たりばったりみたいな。
野村
そうそう! それを言いたかった(笑)。そういう印象が強いんだろうなって思うんですけど、ちゃんとひとつひとつ意味を持って活動してるんだよって。
最前列は気をつけた方がいい
ーーライブ中のことについても聞きたいのですけど、印象に残ってることはありますか?
野村
全部覚えてますよ! めっちゃあるけど、『カナリアシンドローム』。サビでジャンプするんですけど、ジャンプして着地した時にみんなの汗がステージから客席にピャッって飛んだんですよ。「これ、ファンの人たちいたらかかってるやん!」って(笑)。いたら面白かっただろうなー。フフフ!今まで、そういうことってあるようでないんですよ。ちょっと汗が流れたりとかはあったんですけど、そこまでは記憶になくて。青海(ひな乃)さんと、らぶりんが私の視界に入ってたんですけど、その二人の汗がピシャッって飛んで「すごい!」って(笑)。なかなか見られない光景だなって。あと、今までのカミフレだったら、最後の『せ~ので言おうぜ!』はできなかったと思います。
ーーそれはどういう意味で?
野村
曲中に「はい!」とか「いくよ!」とかの煽りの部分は、今までは私が言っていたんですけど、昨日はみんなが。決めてる部分もあったんですけど、ほぼアドリブだったから(笑)。
ーーあの時、お客さんちょっと見えましたよ(笑)。
野村
フフフ! いると思って楽しんでました。
ーー自分の気持ちが乗る曲ってどれですか?
野村
『不器用太陽』と『君がいない世界』かな。『不器用~』は「君が消えちゃいそうでダメだ」って歌詞があるんですけど、そこでいろいろ考えちゃうんです。
いつ、私がいなくなるかもわからないし、いつファンのみんながいなくなっちゃうかもわからない。
ーーこういう時期ですからね。
野村
そうです。『君がいない世界』は、タイトルからそうだし。いろいろな捉え方がある曲だと思うんですけど、今はそうやって思って歌ってます。
ーーさっきも言ってましたけど、アイドルもずっと続くものじゃないというか。
野村
うんうん。今は終わらせたくないし、終わりたくないですよ。なんて言うか、カミフレの中でも私もそうだけど、高校生の子がいたりとか。学業よりもこっちを優先させる時もあったり、犠牲にしてきたものがあるからこそ、今が大事だなって。もう、高3なんですよ。高校生のうちに選抜に入ることが目標だったんで、ヤバいですよ!
ーーヤバいっすか(笑)。
野村
危機感しかないです。でも、今はこれしかないから。目の前にあることを全力でがんばる!そこは変わらない。
ーー最終的に、昨日はどんな感情が生まれました?
野村
絶対に終わりたくないって思った。でも、わかんないですもん、いつ終わるか。(続けるのは)簡単じゃないから。でも、今はまだ難しいですけど、絶対にお客さんが入ってる状況でライブをやりたい。ファンの人たちからの言葉で、やれるんだって実感しました。「マジでコールしたい」とか「現場だったらもっと楽しかったんだろうな」とか。そうやって言ってくれる人がいるから。やっぱりみんな、生のライブの方が好きなんですかね?
ーー汗も飛んできますからね(笑)。
野村
アハハハ! 青海さんとらぶりんの汗浴びたい人は最前だな!(笑)
ーー最前の取り合いでケンカが起きますよ(笑)。
野村
今回はボトムラインっていうザ・ライブハウスだったじゃないですか。たぶん、ライブハウスじゃないとかからないですよね。
ーー高さと近さがないと。ゼップでもいけるんじゃないですか?
野村
ゼップだったらかかるかも(笑)。フフ……そこまで行けるように! 楽しみです。
(8月31日収録)
青海ひな乃×赤堀君江×鈴木愛菜×田辺美月 インタビューは「BUBKA」11月号(9/30発売)に掲載!!
取材・文/並木愼一郎
撮影/夏目圭一郎(SPINFROG)
大谷悠妃×中野愛理×西満里奈×平田詩奈
「ここにいられる喜びと、隣り合わせの涙と。」
なぜ「ワンチーム」になれたのか>
ーー昨日はおつかれさまでした。ハードな一日だったと思いますが……。
大谷
(西を指差して)顔に出てるよ(笑)。
西
出てるかな……?
大谷
え! 一日で老けた!?(笑)
西
朝早かったんです! 周年(12周年公演)の準備があって……。
平田
老けてるよ!
中野
やばい(笑)
大谷
目が腫れてるもん!
ーー何時ぐらいに寝たんですか?
西
2時半とか。
中野
朝起きたら、めちゃくちゃ夜にLINEきてた。
西
もう寝てた? 返ってこなかったから。
ーーどんな内容だったんですか?
西
らぶりん(中野)は帰りのタクシーがダンスの先生と一緒だったって言うから、どんなこと話してたのかなって。
中野
寝てた……(笑)。
平田
私も3時ぐらいまで起きてた。アーカイブ観てた。全部通しで何回も見ちゃった。
中野
えー!
ーーちなみにアーカイブ見たのは?
大谷
はい!
平田
はい。めちゃめちゃ良かった…。
大谷
『不器用太陽』がすごく良くて。全部良かったんですけど、その辺のブロックがすごく良くて、もっと定点の映像も観たかったなって(笑)。振りをがんばって揃えてたから、そこの揃ってるところも映ってたら、もうちょっと鳥肌も立つんじゃないかなって。でも、すごく楽しかったです!
平田
心の底から楽しめる空間でした。
西
カミフレはレッスンの期間とか長かったし、すごく仲良くなったなっていうのがあって。練習の時からいい雰囲気だねって周りにも言われるくらい、仲良くなって。チームっていうか……一緒になれて楽しかった。
大谷
(小声で)ワンチーム。
平田
フフッ。
ーーワンチーム(笑)。めちゃくちゃ練習してきたんだろうなっていうのが伝わりました。
大谷
大変だったけど、それが伝わってたのだったらすごく嬉しいです。ゆうの親も、すごい練習した感が伝わってきて良かったよって言ってて。
平田
ママが500万円払えるわって言ってた(笑)。500万円払えるぐらい良かったって。
ーー活動資金にしましょう(笑)。中野さんは何か言われました?
中野
……いや? ママ、速度制限で見れなかったみたいで。
全員
アハハハ!(爆笑)
中野
うち、私の部屋にWi-Fi入れてて自分が使っちゃってるんで、ママが使えなくて。
大谷
入れてあげなよ!(笑)
ーーすごくいいライブだったと思いますし、中野さんもめっちゃ楽しそうでしたよ。
中野
楽しかったです。最後、表情筋が痛すぎて笑えなくなりそうで。
大谷
にゃははは!
中野
笑えてんのかわからないぐらい、めっちゃ引きつってた。
平田
アハハハ! 笑いすぎてたんだよね。
ーーその楽しさってどこからくるのかなと思って。さっきまで9期生にも話を聞いていたんですけど、先ほども西さんが言っていたように仲良くなれたと。先輩後輩関係なく、ワンチームになれた感はありますか?
平田
めっちゃある。
大谷
あるよね。去年も年末に向けて仲良くなれたってのはあったし、がんばってレッスンしてたから、団結もできたんです。でも、今回はそれを超えるぐらい……ワンチーム!(笑)。
ーー9期はあの感じなんで、かなり雑に来てたと思うんですよ(笑)。どうでした?
大谷
(鈴木)愛菜ちゃんが、しぃちゃん(平田)のことをしぃちゃんって呼んだり、ゆうもゆうちゃんって呼ばれたり。なんかかわいいってなりましたね。ゆうより年上なんですけど。
中野
グイグイ来てくれる人たちだから、こっちもからみやすいし。タメ口とかで話されても、なんだコイツとはならないです(笑)。
西
めっちゃ頼りになるんですよ、9期は。なので私は、よく9期に振りを訊いてます(笑)。そんな後輩って風には思ってませんね。9期生はワチャワチャしててウェーイみたいな感じだけど、そのウェーイをドラ3に対してはあんまりしてこなかったんですよ。でも、最近はウェーイって感じできてくれます。
平田
めっちゃイジられてるもんね(笑)。
ーーなんか、平田さんが青海(ひな乃)さんに「“満里奈”って言って呼んできて」って仕込んだらしいじゃないですか。
平田
めっちゃおもろかったよね(笑)。
中野
あれは青海さんだから面白いよ。
大谷
「満里奈~!」って(笑)。
西
なんか怒られてるみたいになって(笑)。私の準備が遅かったわけじゃないんですよ! 普通に前の仕事が長引いちゃって。リハに間に合わなくて楽屋で準備してたら、青海さんが「満里奈~?」って言いながら入ってきて。
ーーヤカラだ(笑)。
西
楽屋におしりんさん(青木詩織)とかいたからさ、謎な空気になって(笑)。
平田
アハハハ!
4人の中にあった共通の感情
ーーライブの最中のことって覚えてます? では、満里奈さんから。
平田
アハハハ!
西
前日は明日が来るのが嫌だったんですよ。楽しみだけど、明日が来たら終わっちゃうっていうのが。寂しいし、3月20日にやる予定だったのが中止になって、それでようやくだったから。レッスンも8月は結構やってたけど、次があるかないかもわからないし、明日が来てほしいけど来てほしくないみたいな。で、当日は、本番かぁみたいな……で、がっちりリハをやって結構疲れちゃって、声も結構だしたから歌えなくなったらどうしようみたいになって。それで始まって……あっという間でした。
平田
本番の話してないじゃん!(笑)。覚えてないの?
西
最後の『せ~ので言おうぜ!』は楽しかったし、MCらへんでしぃちゃんが泣くから! 泣くじゃんって思って。
平田
だって悲しかったもん。みよまるさん(野村実代)が、最後に一曲って挨拶している時からやばくて。でも、誰も顔を合わしてくれないから。
西
アハハハ!
平田
この気持ちを共感したいのに! 誰も見てくれないからすごい寂しかった。
ーーその泣くスイッチはどこにあったんですか?
平田
なんか、全部です。その一日も楽しかったし。今までリハやってきたのも楽しかったし、この1曲が終わったら終わっちゃうっていう寂しさと、この曲からカミフレが始まったんだっていう思い出とか。
大谷
すごい良いこと言うじゃん!
ーー平田さんが泣いてるのを見て、結構びっくりしたんですよ。
平田
私もびっくりしました(笑)。
大谷
ゆう、泣くならみよまるさんとしぃちゃんだと思ってたよ。
平田
うっそ?
中野
私も。
平田
うっそ?
中野
カミフレ大好きすぎるから。
大谷
大好きすぎて、泣くならここかなって思ってました(笑)。にゃははは!
平田
たぶん、みんなが思ってる以上に好きなんですよ。カミフレが。だから……なんか泣いちゃいそう。
西
今?
平田
うん……(涙を流す)。
大谷
でも、本当に伝わるぐらい大好きなんですよ。
西
なんか泣いてる!
大谷
普段からオーラが出てます。大好きなんだろうなって。ゆうたち、カミフレのことを(笑)。
平田
……止まんない……(スタッフに)ティッシュください……。
西
しぃちゃんが泣くからみんな泣いてた。
大谷
ゆうもそう。しぃちゃんが泣いてるから……しぃちゃんが泣いてると記憶が戻ってくるというか。
ーー記憶?
平田
言ってることわからん(笑)。
大谷
たしかに、『せ~ので言おうぜ!』から始まって、カミフレは色々なところに出させてもらって。やっと初単独ライブができたっていうのがスッとよぎったというか。だから、たぶんそれで伝染して。
ーー平田さんのその涙って、SKE48の活動の中では得られなかった感情によるものですか?
平田
……はい。
ーー自分の理想とするアイドル活動とカミングフレーバーが合致したとか?
平田
あぁ、そうですね。近いというかそのもの。
西
でも、なんだろうね。カミフレって色々言われることが多いから。だから、周りに言われないくらいになろうって自分でも思えたし。悔しかった。見てない人に言われるのが悔しかった……(涙を流す)。
中野
はい(ティッシュの箱を西の前に置く)。
大谷
だからこそ、今回のライブでがんばってきたことに一人でも気づいてくれたことが、すごいゆうたちの中で大きかったのかなって思う。西は冷静だから、色々頭の中にあるじゃないですか。でも、ゆうはそんな頭がないから大丈夫なんですけど、見返したいって思いは全員にあったんじゃないかと思います。
ーーカミングフレーバーって、理由ありきで選ばれた9人じゃないことで、昨日のライブがめちゃくちゃピュアなものになったんじゃないかと思うんです。
全員
(無言でうなずく)
ーー仮にファンの投票で選ばれた9人だったら、始まる前から“認められてる”じゃないですか。でも、カミフレはそうじゃないから、シンプルにめちゃくちゃ必死に練習して、仲間になって、それで本番を迎えてステージで歌って踊って、その後で評価を待つ。ダメだったらそれまでって可能性は常にあるけど、カミフレはそういうグループだと、個人的には解釈してます。
西
カミフレはSKE48と別で動いてるけど、結果的に、SKE48にプラスになるはずと思ってやってます。スタッフさんにも「カミフレで実験」ってよく言われるんです。カミフレで試してみて、それがうまくいけばSKE48でもうまくいく道になるかもしれないからって。だから、新しいことに挑戦すること自体を否定しないでほしいです。
中野
うん。
平田
そうだね。
大谷
うんうん!
信頼できる仲間と場所があるということ
ーーまぁ、そんなこと関係なく楽しいライブでしたけどね(笑)。やってて良かった!と思った瞬間ってありました?
平田
ずっと思ってました。最後は涙が止まらなくなったし……。
大谷
同期はもちろん安心感なんですけど、別の場所にもうひとつできたというか。ライブしていても一緒にがんばってきた今までの時間があるから、心配することがなかったし。一緒にできるってすごく良いって思えた。ライブが始まる前にも、絶対できるって思った。だから踊っててもこのメンバーで良かったなって思ったし。それこそしぃちゃんが……いや待って、泣きそうなんだけど。
中野
はい(ティッシュの箱を大谷の前に置く)。
大谷
こんなに他の人とって言ったらあれだけど、後輩とかとこんなに仲良くしゃべるタイプじゃないと思ったから。
中野
ママなの?(笑)
平田
私の成長に感動したんだ(笑)。
大谷
(涙を流しながら)だからそういうことができる環境だし、いいメンバーだなって思いました。うっうっ……泣いちゃう。
西
なんか……楽しいです。グループって感じもするし、一人ひとりの個性もあるし。先輩後輩とか序列とか関係なく、全員センターとかやったり。その一人ひとりにあった曲で、それを活かせるグループを作ろうとしてくれてるんだなっていうのが嬉しい。
ーーとりあえず昨日のライブがひとつのチェックポイントだと思いますが、これからもカミフレを続けていくのであれば何をしていきたいですか?
西
やっぱり、ライブがしたいです。
平田
カミフレも普通にしてたらなかなか売れないから。どうしたら売れるのかな?ってめっちゃ考えちゃう。
中野
プロデューサーだ(笑)
ーーカミフレを売るためにはどうしたらいいかって?
平田
想像しちゃうんです。自分の中でこの場所でやりたいっていうのがあるから。そこにいけるぐらいになりたい。
ーー想像上のカミフレはどこに立ってるんですか?
平田
横浜アリーナで単独ライブ。
ーー……ッ! あの、カミフレ目当てではない1万2000人で埋まってた横アリ!
大谷
にゃははは!
西
ふふふ。
平田
それぐらいになりたいです。
中野
すごい! したい!
ーー最後に、スタッフさんから訊いたのですが前日に「どういう気持ちで、なんのためにライブをやるのかちゃんと考えて明日はライブをやって欲しい」と言われたそうですね。それぞれ教えてほしいです。
大谷
絶対最後にはしたくなかったから。最後って言われるのが嫌だなって思ったから、絶対にそう思わせないように、今までがんばってきたことと、本番で力を出すっていうのでやってたと思います。
平田
不安とかはなかったんです。とりあえず、みんなが心から楽しめばきっと伝わるし、これを観て、もっとカミフレを観ていたいと思ってもらいたいし、私自身ももっと成長していきたい。それぐらい強い気持ちでやってるってことが伝わったらいいなって。
中野
絶対、次につなげられるようなステージにしたいと思いました。絶対に最後にしない。それだけを考えて立ちました。これ以上成長しないのかなって思われたらダメだなって思うから。
西
最後にしたくないってのはもちろんで、スタッフさんにも関係者の方々にも、もういいやって思われたくないし。もちろんファンのみなさんにも、カミングフレーバーやってよかったな、次も観たいなって思ってもらえるように……でも、わかってるんですよ自分が。他にももっとすごい子がいるとか……(涙を流す)。
中野
はい(再びティッシュの箱を西の前に置く)
平田
そんなにマイナスに考えなきゃいいんだよ。
大谷
そうだそうだ! とにかく一回、カミフレをちゃんと観てほしい。それでダメだったら、もうしょうがない!
ーードラ3が大好きな焼き肉食べながら、今度は4人でアーカイブ観たらいいと思いますよ。いいライブしてましたよ本当に。
平田
泣くな、西。
西
泣くなって言われると泣いちゃう~。
中野
私もみんなで観たら泣きそう(笑)。
大谷
にゃははは!
(8月31日収録)
青海ひな乃×赤堀君江×鈴木愛菜×田辺美月 インタビューは「BUBKA」11月号(9/30発売)に掲載!!
取材・文/並木愼一郎
撮影/夏目圭一郎(SPINFROG)